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アニメ『暴れん坊力士!!松太郎』23話で打ち切りEND(感想)

テレビ朝日系列の早朝アニメ枠で放送されていた、TVアニメ『暴れん坊力士!!松太郎』が23話「決戦!永遠のライバル」で最終回を迎えた。

原作半ばで終結してしまった松太郎

『暴れん坊力士!!松太郎』はテレビ朝日系列の日曜早朝アニメ枠での放送。大人向けの漫画作品を放送するのは珍しい試みであったが、人気が低迷してなのか、あえなく原作半ばで最終話を迎えてしまう。

 

TVアニメで原作が長い作品を放送する場合、途中で最終回を迎える事はよくある事だが、今回松太郎の最終話は「連載打ち切り」のような終わり方で視聴者に動揺を生んだ。

 

最終話のあらすじ

主人公、坂口松太郎は幕下優勝を賭けた大一番の前夜、昇進をよく思わない兄弟子に喧嘩をふっかけられる。

止めに入った田中を巻き込み、乱闘騒ぎに発展し、全員重傷を負う。

松太郎も大怪我で試合は欠場(休場)かと思われたが、全身包帯だらけの姿で会場に現れる。

ライバル力士、近藤との試合中、意識が朦朧となり倒れそうになった所、玲子の声援で奮起し善戦する。

土俵際の最期の攻防中、玲子が帰る姿を目撃してしまった松太郎は、落胆のあまり気絶してしまう。

試合後、昨夜の乱闘が松太郎が起こした暴力事件として新聞報道される。雷神部屋親方も庇いきれず、松太郎を見限り破門する。

行くあての無くなった松太郎は「まあいいか、明日は明日の風が吹くってな」と言って田中とともに夕日を歩いて行く。

おわり。

 

放送局の視聴率主義が生んだ醜態

原作は漫画家、ちばてつや先生の『のたり松太郎

テレビ放送『暴れん坊力士!!松太郎』では子供の視聴に配慮して、原作にあった暴力表現や、飲酒描写をマイルドにアレンジしての放送は評価できる。

アニメ放送前には相撲の歴史的大一番シーンを挿入するなど、低年齢層に相撲に興味を持ってほしいと言う意気も見て取れた。

しかし、人気(視聴率)が低迷してなのか、原作半ばで最終話を迎えてしまう。

原作途中でアニメが終わるのは致し方無いとしても、この終わり方はまさに「打ち切り」「バッドエンド(BADEND)」

視聴後、全編通しての感想は

「粗暴で力だけが取り柄の松太郎が周囲にトラブルをまき散らした結果、彼女に振られ、相撲仲間にも見放されて路頭に迷う。しかし本人は全く反省していない。」

と言う、主人公の負の部分だけが強調される結果に。

「終わりよければすべてよし」の反対を行く終わり方だ。

 

放送終了の理由は、いろいろな大人の事情が絡むのだろうが、これでは原作や相撲に泥を掛けたようなものではないのか

視聴者の限定される深夜アニメでは許されるかもしれないが、子供番組で相撲を題材にしている以上、放送局は、きちんとした終わり方をさせる責任が有るのではないだろうか?